それは不思議な縁の積み重ね。
タフな施主さまが恋い焦がれた海辺のガレージハウス。
玉野市 O邸 Casa 040
今回ばかりは、まず、上の写真郡をじっくりと見てほしい。四角いフレームが印象的なバルコニー。整然と並んだ丸い緑の芝生、そしてガレージの愛車。リビングから見渡す瀬戸内海の眺望は、まるで一枚のスクリーン。海と島々と空のみの美しきフレーム。一瞬、ここは客船のキャビン?と錯覚さえ覚えてしまう、絶妙なしつらえはみごとのひと言だ。
今回の施主は、0さま(五五歳・男性)。趣味はダイビング。モルジブ、セーシャルをはじめ世界各地のポイントをめぐる筋金入りのダイバー。そんな海とクルマをこよなく愛するOさまからカーサ・カレラへ寄せられたリクエストはズバリ、「ありきたりの家じゃない家。イメージはリゾートの水上コテージ」だったそう。
「正直、最初は『水上コテージ?う~ん、どうしよう…』でした(笑)。実現するにはワンフロアの広さも必要ですし、何よりロケーションが重要。今回はまず土地探しから始めて、いろんなめぐり合わせがあったおかげで、完成までたどり着きました。もちろん道のりは平坦ではなかったですが、仕上がり具合は『引き渡したくない』と思ったほど。それくらい愛着があります」と木口社長は笑う。
そんな0邸。二階ワンフロアのLDKは、白壁と木目のブラウンの品のある組み合わせ。木口専務がセレクトしたという大ぶりのソファとテーブルのかたわらにはDutch west社製の薪ストーブ。パステルのモザイクタイルを貼り付けた二本の支柱が、シックな空間をワンポイント的に彩っている。「プランの時、木口専務は、私が思うことをいつも先に提案してくれました。要は私の思いをわかってくれていたんですね。でも、もっと感心したのが、だからといってひとつに決めつけず、こちらが選べるよう選択肢を用意してくれたこと。木口社長がよく言う『お客さまになりきる』というのは、こういうことなんだと納得しました」と0さま。「知識もアイデアもある木 口社長と専務に出会えたことが、私にとって何よりも幸せなことでした」と振り返る。
難航した土地取得から始まった家作り。この美しい海辺のガレージハウスはいくつもの「縁」の積み重ねによってできている。それは、まさに奇蹟の家。「縁ひとつ欠けても完成し なかった」と木口社長。そんなさまざまな縁を取り持つのもカーサ・カレラならでは。人と人をつなぐのも家作りの大切なレシピのひとつだ。
このインタビューは『オセラ No.41 爽秋号』に掲載されたものです。 |